ダブルクロス オープニング・フェイズ
不確定な切り札
C1-北野 真美/高校生/不確定な切り札
c2-須藤 隆伸/会社員/ワイルドホーセス所属
北野には重病の母親があり、その治療費を
稼ぐためにジャームを消去している。
須藤は北見にジャームの情報を与え、報酬を
出している。
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夕暮れの東条市、喫茶店。一般客でにぎわい
隣の席の会話など聞き取れないほどだ。
店内の端の席で高校生・北野と会社員・須藤が
向かい合わせで座っている。
北野「益坂高校のジャームは消去したわよ。」
須藤「ご苦労だった。いつもの口座に振り込んでおく。
で、次の情報だ。高明学院にジャームが居るらしい。
それを調査し消去してほしい。報酬は・・・」
報酬の額は普通の1.2倍だ。
須藤はこのあたりを統括する、いわば支部長である。
ワイルドホーセスそのものに、そこまでの規模は
無いが須藤は協力者をまとめ、規模を維持している。
北野自身はジャームと戦い消去する事に無意味さ
を感じてはいるが、重病の母親の治療費を稼ぐため
”仕事”をこなしている。
なお、彼女の父親は数年前に他界している。
須藤「益坂高校はどうだった?楽しかったか?」
北野「(にこりと笑い)ええ。ジャームとの戦いが
無ければずっと居たかったわ。」
北野は、各高校に転校生として潜入し、ジャームを
探し出し、これを消去することを”仕事”としている。
だが、高校では普通の女子高生としての生活も
忘れては居ない。
母親が回復したらジャームとの戦いを避け、
”普通の女子”として生活していくためだ。
須藤「君の母親が早く良くなるよう、祈っておくよ」
北野はゆっくりと席を立つと、店外へと出ていった。
新しい学校、といっても1〜2週間ほどしか居ないが。
それでも、学校の数は多く重複したことはない。
また、その名前が知られることもない。
≪父親の仕事の都合≫で転校を繰り返す女子高生。
その正体はジャームと戦い、”普通の女子”に
憧れる孤独な戦士である。